ピーナッツアレルギーとは?深刻なリスクと注意点
日本人の食生活に昔から深くなじみのある落花生(ピーナッツ)
バター香るローストピーナッツは香ばしくて美味しいし、ピーナッツクリームやピーナッツオイルはコク出しの隠し味に使われたりもしています。
でもこのピーナッツ、実は、重篤なアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある食べ物だってご存知でしたか?
ピーナッツとは?
ピーナッツと落花生の違い
ピーナッツはマメ科ラッカセイ属の植物の種子です。
花が咲いて地面に落ちたところから地中に、殻に入った実をつけます。
「落ちた花から実が生る」ことから「落花生(らっかせい)」と呼ばれているのですね。
ほとんどが輸入で賄われていますが、流通しているものの10%ほどは国産で、その8割近くが千葉県産。
収穫期は9月で、名産地の千葉ではこの時期しか味わえない“生の落花生”が食べられます。
一般的に、殻付きのものや植物自体を指すときは「落花生」、実だけの状態を「ピーナッツ」と呼ぶようです。
ピーナッツにはほかにも呼び名がたくさんあって、「南京豆」や「唐人豆」と呼ばれたり、沖縄や愛知の一部地域では「地豆(ジーマーミ、じまめ)」、長崎では「ドーハッセン、ローハッセン」と呼ばれたりします。
ピーナッツとナッツの違い
ピーナッツは「pea【豆】+nut(s)【木の実】」という由来から名前が付けられたと言われています。
英語で「豆のナッツ」という意味です。
形状や栄養成分が似ていることからこの名前が付けられたそうですが、ピーナッツとナッツ(木の実類)は、実際には異なる植物です。
ナッツ(木の実類)は木になる堅果類の種子であるのに対し、ピーナッツは地面の中になる豆。
植物学的には、ピーナッツはどちらかというと、大豆やえんどう豆に近いビーンズの仲間なのです。
ですが、文部科学省がまとめている『日本食品標準成分表』では、ピーナッツは【種実類】、大豆やえんどう豆は【豆類】にまとめられています。
【種実類】には主にナッツ(木の実類)のほか、カボチャ・ヒマワリの種も含められていて、学問上の分類ではなく、売られている形状や栄養面を考慮した分け方になっているのだとか。
確かに、炒られたピーナッツは、ミックスビーンズよりもミックスナッツの中に混じっている方が違和感がありません。
ピーナッツが木の実ではなく豆だということを知らない人がいても不思議ではないですね。
ピーナッツアレルギーとは?
即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査 | 消費者庁
ピーナッツに含まれるヒスチジンという物質が、微生物の働きによってヒスタミンに変わり、それが器官収縮を起こしたり蕁麻疹を引き起こしたりします。
食物アレルギーを起こす原因物質の中で、ピーナッツは第5位(令和2年度)
3〜6歳での初発例(初めてその食べ物を食べてアレルギー症状が出た例)では第3位に挙がっています。
使用していることを必ず表示しなければならない『特定原材料』のうちのひとつです。(特定原材料は2023年3月から新たに「くるみ」が加わり、全部で8種類になりました)
ピーナッツのアレルギー物質は、熱にも消化酵素にも強く、弱まることがありません。
それどころか、焼いたり炒ったりして熱を加えると、メイラード反応によりアレルゲンが強くなるという特性を持っています。
乾燥させて炒ったものを食べることがほとんどであるピーナッツは、通常の状態でアレルゲンが強いということですね。
そのため、ピーナッツはほかのアレルゲンに比べて少ない量でもアレルギー反応が出やすいと言われています。
ピーナッツアレルギーの症状
ピーナッツアレルギーの特徴として、「アナフィラキシーショックを起こしやすい」という点があります。
アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応が出てから数分〜数時間のうちに命に関わる重篤な症状になってしまうこと。
アナフィラキシーショックの診断をする時にはいくつかの定義はあるようですが、呼吸がしにくくなったり、血圧が低下したり、意識が朦朧としたり、これらの症状が急速に出た場合は、とにかく一刻を争う状態といえます。
ピーナッツアレルギーは、ほかの食材アレルギーより少量で症状が出やすいため、生活の中で注意しなければいけないことがたくさんあります。
また、ピーナッツアレルギーの人の20〜25%は成長にともない耐性を獲得するという報告がある一方で、大人になっても耐性を獲得せず、症状が重篤になっていく傾向があるともいわれています。
豆類ではなくナッツ類と交差抗原性がある
ピーナッツアレルギーがある人で、大豆などほかの豆類にアレルギーがある人は1%以下といわれています。
ですが、ピーナッツアレルギーとナッツアレルギーの患者さんでは、血液検査上交差抗原性反応が見られ、40%の確率で複数のナッツ・ピーナッツにアレルギー反応が出ることがあるそうです。
植物学的には違う植物であるピーナッツとナッツ類ですが、ピーナッツアレルギーがある人は、ナッツを食べるときにも用心が必要です。
自分で食べていなくても…
ピーナッツアレルギーの人は、自分がピーナッツを食べていなくてもアレルギー反応が起きてしまう危険があります。
ピーナッツはほかのアレルゲンに比べて、ごく少量で症状が出る可能性が高い物質。
ピーナッツアレルギーの人は、ピーナッツを食べるだけでなく、ピーナッツや殻が肌に触れたり、ピーナッツを食べた人と触れ合ったりしただけで症状が引き起こされることが少なくありません。
2012年にはアメリカで、ピーナッツバターサンドを食べたボーイフレンドとキスをしたアレルギーの女性がアナフィラキシーショックを起こして亡くなるという悲しい事故も起きています。
ピーナッツを食べたお友達が手を洗わないままアレルギーの子と手をつないだら、つないだ手からアレルギー反応が出てしまうことも。
保育園や学校などでは、大豆の誤食窒息を防ぐため、節分の豆まきに殻付きのピーナッツ(落花生)を撒くことがありますが、殻付きのピーナッツで豆まきした空間に入るだけでも、ピーナッツアレルギーの人からしたら命に関わることになるかもしれません。
目に見えないほどの物質でもアレルギー症状が出てしまうかもしれないと思うと、日常生活を送ることにとても慎重にならざるを得ませんね。
欧米では3大アレルギーに数えられることも
アメリカにおいては、卵と牛乳に加えてピーナッツを3大アレルゲンとするそうです。
一説には最も多いアレルギー原因物質であるとも言われています。
そのため、アメリカの学校では「ピーナッツの持ち込み禁止」が徹底されているそうです。
殻に触れるだけでも命に関わる人がいるとなれば、当然といえる対応かもしれません。
学校給食では「ほぼ使わない」という選択
日本の学校給食ではどうでしょう。
近年、学校給食の現場でもアレルギー対応はより専門的により身近に発展してきて、学校の対応は親身になってきたのではないでしょうか。
多種多様になってきたアレルギーの対応で学校側の煩雑化を避けるため、文部科学省が定めている対応指針では、「段階的な対応はせず《完全除去》か《すべてにおいて提供する》かの二者択一」が基本となっています。
そんな中で、特に重篤度の高い原因物質「落花生(ピーナッツ)」は、同じく重篤度の高い「そば」とともに
学校給食での提供を極力減らします。提供する際は、使用するねらいを明確にし、使用していることが明確な料理や料理名とします。
とされています。
つまり、「よっぽどのことがないかぎり使わない(除去する)」ということ。
ピーナッツを使ったメニューのときは「ピーナッツ」と料理名に明記し、決して隠し味などに使ったりはしない、ということですね。
ピーナッツが使われている食品は?
ローストピーナッツそのものはもちろんですが、ピーナッツは「コク出し」の目的で、さまざまな加工食品に隠れて混ざっていたりします。
食生活からピーナッツを除去しようと思ったら、何を食べるときに気をつけたらいいでしょう?
ピーナッツを直接加工した食品
- ローストピーナッツ
- ピーナッツオイル
- ピーナッツバター
- ピーナッツクリーム
ピーナッツがいろんな形状で入っている可能性のある食品
- チョコレート
- クッキー
- スナック菓子
- ケーキ
- パン
- カレールー
- ドレッシング
市販のカレールーに ピーナッツバターが入っていたり、ドレッシングにピーナッツオイルが入っていたりするので、一見関係ないような食品でも、ピーナッツアレルギーの人(とそのご家族)は「これは食べられるかな?」と確認してからでないと安心して食べることができません。
市販のものは特定原材料表示や原材料欄があるのでまだ確認のしようがありますが、飲食店や屋台などで「これもピーナッツが使われてるの!」と驚くこともあるようです。
そのほかに気をつけるべき食べ物
- ジーマーミ豆腐(ジーマーミ=ピーナッツ)
- 五平餅(味噌だれに使われていることがある)
- 坦々麺(入っているものも入っていないものもある)
- そのほかの中国料理やアジア料理
「ジーマーミ豆腐」とは、ピーナッツを使って作られる沖縄地方特有の料理です。
他県から沖縄へ旅行に行き、ピーナッツを使っていることを知らずに食べてしまい、救急搬送されるという事例も少なくないようです。
地方特有の料理では、方言で表現されていることも少なくなく、また現地の人には「知っていてあたり前」のことだったりして、明確に記されていないこともあります。
また、中国はピーナッツ消費量第一位の国です。
「この料理にピーナッツを使うのは当たり前」というものは、日本よりも多いかもしれません。
日本国内でも起こりうる事故、言葉も文化も違う世界とまでなればさらにその危険は高まります。
レストランのシェフは『料理のプロ』ではありますが『アレルギーのプロ』ではありません。
ピーナッツだけに限らず、アレルギーのある人は「私は〇〇アレルギーがあるけれど、これは食べられる?」と自ら発信して自衛していかなければならないのかもしれません。
食品業界では除去の方向へ
日進月歩で研究と開発を続ける食品業界では、ここ数年「特定原材料の使用はできるだけ減らそう」という流れになってきているようです。
というのも、以前は「市販のカレールーには隠し味にピーナッツバターが使われている」というのがピーナッツアレルギーの人たちの中では有名だったそうなのですが、それがどんどん、カレールーはピーナッツ不使用になってきているそうなのです。
『食べられなかったものが食べられるようになる』、このことは、アレルギーのある人たちにとってはとても嬉しいことだと思います。
反対に「今まではピーナッツ不使用だったのに、リニューアルしたらピーナッツ使用になっていた!」という話も耳にします。
その場合でも、商品の見えやすい場所に「ピーナッツ入り」や「ピーナッツ使用」と書かれているものが多いです。
アレルギー対策の取り組みが熟してきて、今スーパーに並んでいるほとんどの商品に『特定原材料等』を表示する欄ができています。
おかげでアレルゲンのチェックがとてもしやすくなりました。
特定原材料等28種類を使わない食品なども、ここ数年でよく見かけるようになってきています。
誤食を防ぐための仕組みや、そのアレルゲンを使わなくても美味しく作れる工夫、たくさんの人の努力が実ってきていることを、肌で感じますね。
ピーナッツアレルギーの予防と対策
なぜピーナッツアレルギーになるのか?
ではそもそも、どうしてピーナッツアレルギーになるのでしょう。
その明確な原因は、残念ながらまだ解明されていません。
ですが、ここ10年ほどの研究から少しずつわかってきたこともあります。
それは、それまで声高に叫ばれてきたこととはまったく違う、新しいアプローチでした。
口からではなく皮膚から
近年の研究では、『アレルゲンが皮膚から入ることでアレルギーを発症する』ということがわかってきています。
それまでの定説は『生まれて間もない赤ん坊の頃に食べたものがアレルゲンとなり、アレルギーを発症する』というものでした。
なので、アレルギーを起こしやすい食べ物を初めて口にするのはできるだけ遅いほうがいい、と言われてきました。
それがどうやら真逆で、『離乳食は5ヶ月を過ぎたらすぐ始めるほうがいい』、『それよりも赤ちゃんの肌を清潔に健康に保ってあげるほうがアレルギー対策になる』というのです。
一体どういうことでしょう。
イスラエルの子どもとイギリスの子ども
約20年も前から、ヨーロッパやアメリカなどでは子どものピーナッツアレルギー増加が問題になっていました。
対応策として小児科などでは「ピーナッツを与えるのはできるだけ成長してからのほうが良い」と啓蒙してきたそうです。
ですが、患者数は減らないどころか増えている。
2000年に入ってから10年ほどで、その患者数は2倍になり、1.4〜3.0%の子どもがアレルギー症状を発症していました。
一方で、幼少期からピーナッツ入りのお菓子や離乳食を食べているイスラエルなどでは、ピーナッツアレルギーの子どもは少なかったのです。
その仮説を実証するため、イギリスのロンドン大学キングスカレッジで、ある研究が行われました。
その内容を簡単に要約すると、
ひどい湿疹や卵アレルギーのどちらかがあるピーナッツアレルギーのリスクが高いと判定された生後4〜11ヶ月の子ども640人を対象に実験を行った。対象を2つのグループに分け、ひとつのグループにはピーナッツを含む食品(バンバと呼ばれるイスラエルのスナック菓子)を食べてもらい、もうひとつのグループには5歳までピーナッツを食べないでもらう。
という実験。その結果は、
プリックテストでピーナッツアレルギーに陰性反応が出た530人の子どもでは、5歳になった時のピーナッツアレルギーの保有率は、食べていた子どもでは1.9%、食べなかった子どもでは13.7%という結果になった。ピーナッツアレルギーに陽性反応が出た子供98人では、食べていた子どもでは10.6%、食べなかった子どもでは35.3%だった。
というものでした。
つまり、
『5歳までピーナッツを食べなかった子どもの方がピーナッツアレルギーになりやすい』という結果になった。
というのです。
同様の研究はロンドン大学のセントジョージカレッジでも行われ、同じく「アレルギーとなる食品を早期に与えると、発症率が有意に少なかった」という結果が発表されています。
この結果は、非常に大きな驚きをもって世界中の小児科医たちに受け入れられました。
離乳食開始時期になったらできるだけ早く、初めての食物にできるだけ触れていったほうが後々のアレルギー対策になることはわかりました。
ですが、ピーナッツを離乳食から避けていなかった頃から西欧諸国でピーナッツアレルギーが増加した理由はなんなのでしょう。
ピーナッツオイル入りの保湿剤が原因?
2003年、権威ある医学雑誌に、ひとつの研究結果が発表されました。
それは『ピーナッツオイルを含む保湿剤を肌に塗布していた乳幼児のピーナッツアレルギーになる確率は、そうでない乳幼児よりも高い』というもの。
ピーナッツアレルギーのある子どもとない子どもで分けたとき、【ピーナッツオイルを含まない保湿剤】を使っていた割合は双方とも差がなかったのに対し、【ピーナッツオイルを含む保湿剤】を使っていた割合には大きな差がありました。
ピーナッツアレルギーのある子どもの91%がピーナッツオイルを含む保湿剤を使っていたのに対して、ピーナッツアレルギーのない子どもでそのような保湿剤を使っていたのは53〜59%に留まったそうなのです。
当時のイギリスでは、ピーナッツオイルが配合された保湿剤を使うことは一般的だったそうです。
「食べられるものだから赤ちゃんの肌にも安心」と思いがちですが、実は「食べるものだからこそ肌には危険」なのです。
それには「経皮感作」と「免疫寛容」が関わっています。
「経皮感作」とは、荒れた肌からアレルゲンが侵入し、体内で免疫機能が働きアレルギー体質になってしまうこと。
本来、肌が健康に保たれていれば、少しくらいアレルゲンとなるものが肌に触れても感作を起こすことはありません。
しかし、おむつかぶれやアトピーなどで荒れた肌はバリア機能が崩れてしまっているため、アレルゲンの体内への侵入をかんたんに許してしまいます。
一方、経皮感作を起こす前に口から食べたアレルゲンに対しては「免疫寛容」というシステムが働き、食べたものに対して過剰なアレルギー反応を起こさないようになっています。
口から食べて消化することで「これは食べられる、免疫で攻撃しなくても大丈夫」と体が覚えていくのです。
前述のイスラエルの子どもたちはピーナッツに対して、この「免疫寛容」が働いていたものと考えられます。
そして、イギリスの子どもたちはピーナッツに対して「経皮感作」を起こしていたというわけです。
一旦感作が成立すると、もう一度そのアレルゲンが体内に入ったときにアレルギー症状を起こしてしまいます。
ピーナッツオイルで経皮感作が成立してしまっているので、初めてピーナッツを食べたはずなのにアレルギー症状が出てしまうのですね。
埃(ハウスダスト)の中に微量のピーナッツの成分
また、違う観点から経皮感作の可能性が示唆されています。
ピーナッツをよく食べる家庭の埃には、微量のピーナッツ成分が含まれているそうです。
埃に含まれるピーナッツ成分の量は、その家庭が食べているピーナッツの量に比例しているとのこと。
乳幼児は大人よりも地面に近いところで生活しているため、ピーナッツ成分の混じった埃に曝されることで、アレルギーを発症しているかもしれないというのです。
このことは、最近の急激な日本のナッツアレルギー患者の増加とも関わりがあるといわれています。
一方で、お母さんがアレルゲンとなる食べ物を摂取することと赤ちゃんがアレルギーを発症する因果関係は、近年では否定されています。
お母さんが妊娠中に食べたもののせいで赤ちゃんがアレルギーを発症するわけではないですよ、ということです。
ピーナッツアレルギーの経口免疫療法
ここまでは、まだピーナッツアレルギーを発症する前の対処法でした。
では、すでにピーナッツアレルギーと診断されている場合、その症状を和らげていく方法はあるのでしょうか。
食物アレルギーでは、医療機関の指導のもとで経口負荷試験を行い、食べても大丈夫な量を少しずつ増やしていく経口免疫療法が進められています。
この治療法は、アレルゲンが誤って口に入ってしまった場合でも重篤な症状にならないことを目的として行われます。
たった少量に触れただけでもアナフィラキシーショックの危険があるピーナッツアレルギー、できれば将来的に食べられるようになることが理想です。
しかし、ごく少量で重篤な症状が出やすいピーナッツだからこそ、経口免疫療法を進めていくことも一筋縄ではいかないでしょう。
どのアレルギーでもそうですが、経口免疫療法はアレルギー治療に特化した小児科医の指導のもとで行うのが望ましいと思います。
専門医の関与しない判断で『食べさせて慣れさせていく』ことは、命の危険に繋がりかねないからです。
エピペンの携行と使用条件
ピーナッツアレルギーを持っていて、アナフィラキシーショックを起こしたことがあるお子さんは、エピペンを処方してもらうことも考えてみてはいかがでしょう。
エピペンとは、「エピネフリン(アドレナリン)自動注射器」という意味の治療薬で、アナフィラキシーショックが起きてすぐに注射するとショック症状を和らげることができるものです。
エピペンは、本人、保護者のほか、救急隊員、保育士や教員も打つことが認められています。
もしも学校にいる間にアナフィラキシーショックが起きてしまったら…。
そんなときに一刻も早くエピペンを打つと、ショック症状を一時的に抑え、救急車が来るまでの時間に状態を落ち着かせることができます。
体重が15キロ以上あって、医師が必要と判断した場合に処方されますが、保護者や本人の希望から処方されることもあるそうです。
経口免疫療法とエピペン、どちらも、アレルギーに特化した小児科さんでご相談してみてはいかがでしょうか。
まわりの人の理解も大事です
ピーナッツアレルギーは微量でアレルギー症状を起こしてしまうものです。
本人や家族だけでなく、クラスメイトや先生など、まわりの人たちが「この子にはピーナッツアレルギーがある」と認識することが第一歩だと思います。
そして、ピーナッツアレルギーとはどういうものかということを理解していくことで、アレルギーがある人もまわりの人も安心してすごすことができるのではないでしょうか。
ピーナッツアレルギーがどういうものかを、アレルギーのない人にも知ってもらうのにぴったりな絵本をご紹介します。
ピーナッツアレルギーがある「さあちゃん」のお母さんが、まわりの人に「ピーナッツアレルギーとはこういうものです」と理解を促すために書かれたお話だそうです。
低学年の子にわかりやすい、読み聞かせにも適した内容で書かれています。
お友達やクラスメイトにピーナッツアレルギーの子がいたら、この絵本を読むことで「ピーナッツアレルギーとはこういうものなのか」と理解しやすいのではないかと思います。
※現在この絵本は電子書籍版のみ販売されています。
また、この絵本が刊行される前に栗田洋子さんのエピソードを冊子にまとめられたものが、『認定NPO法人 アレルギー支援ネットワーク』さんにより配布されています。
ぜひ一度ご覧になってみてください。
tontonのパンはピーナッツアレルギーにも対応しています
ピーナッツはナッツ類と同様に、パン屋には欠かせない原材料の一つです。
ピーナッツバターをサンドしたパンやつぶつぶピーナッツ入りチョコクリームパン、ピーナッツでコクを出したクリームを使ったパンなど。
パンにも思った以上に多くのピーナッツが使われています。
アレルギー対応パンのtontonでは、「卵」「乳」「ナッツ」に加えて、「ピーナッツ」のアレルギーにも対応しています。
ピーナッツを使用しないだけではなく、ローストピーナッツやピーナッツバターなど、ピーナッツやピーナッツを原材料とする製品をパン工場内に持ち込んでいないため、コンタミネーションの心配はありません。
ピーナッツにアレルギーがあっても、安心して召し上がっていただけます。