卵と乳製品を使わないパンって、どゆこと?
「卵と乳製品を使わずに、どうやってパンを作っているんですか?」
店頭にお越しいただいたお客様によく聞かれます。
どうやってって…卵乳不使用のパンは、卵と乳製品を入れていないだけなんですけど…(^_^;)
そっかぁ〜何の疑問もなく作っていました。
一般的に、パンを作るには卵と牛乳(乳製品)は必須の原材料。
外から見ると不思議に感じるんですね。
そもそもパンを作る上で、卵と乳製品は必須ではない
パンが本格的に日本に入ってきたのは明治時代。
その時のレシピには、卵や乳製品が使われていました。
原材料の増減や製造方法にいろんなバリエーションが生まれましたが、基本的な配合は変わっていません。
なので、なぜ卵や乳製品をパンに使っているのか?ということを、実はパン屋はほとんど意識せず入れているのかもしれません。(過去の自分がそうでした・笑)
実際に抜いて作ってみると…
色味は変わりますが…
味的にはほとんど変わらないという事実。
むしろ、雑味がなくなって、抜いたほうが美味しいとも感じます。
たまごサラダがサンドしてあるから卵味がするし、ミルククリームがサンドしてあるからミルクの味がする。
パン自体に卵や乳製品の味を感じることはありません。
味を感じるレベルまで配合すると、液体になるくらいのレベルまで入れなければならず、パンとして成り立たないんです。
だったら、パン屋はパン生地から卵や乳製品を抜けばいいのに!
ホント、そう思います(笑)
だって、味には影響しないんだから。
想定外だった県外のお客様からのお問い合わせ
まだtontonがネットショップを始める前のこと。
卵乳不使用のパンを作って店頭で販売していました。
その様子をブログに書いたところ、福岡の方からお電話をいただきました。
「そちらで作っている卵乳不使用のパンを福岡まで送っていただけませんか?」
いやぁ…
ウチは焼きたてパン屋だし…
冷めたパンを食べてもらっても…
「お近くのパン屋さんに『卵と乳製品を抜いて作って!』とお願いしたら、ウチみたいに作ってくれると思いますよ。」
お客様に提案したことがあります。
そのお客様も、「そうね、お願いしてみます!」と納得されていました。
数日後…
「卵と乳製品は必須です。抜いてって言われても、抜けないものは抜けないんです!」って言われたそうです。
そうですか…
抜けないものは抜けないって、理由になっていないような…(^_^;)
アレルギーがあっても食べられるようになるのなら…
確かに、卵を入れると黄色みを帯びて美味しそうに見えます。
生地もしっとりして、パサツキが抑えられます。
乳製品を入れると生地が安定して決めが細かくなり、しっかりとしたパンになります。
食パンの腰折れがなくなり、アンパンやクリームパンがつぶれにくくなります。
でも…味に関係ないのなら…
黄色くなくても、少し形がブサイクでもいいんじゃね?
アレルギーがあっても食べられるようになるのなら。
ブログをきっかけに、東京、大阪、愛知、福岡にお住まいの方より、立て続けにお電話をいただきました。
「そんなパン、近くに売ってない、送ってください!」
その方々に背中を押されるようにネットショップを始めました。
一般的なアレルギー対応食品のように、美味しさが足りなかったり、ボソボソしていたりするのではなく、普通に食べられているものと遜色のない味。
卵と乳製品を使わなくても、アレルギーがあってもなくても「美味しい!」って言っていただけるパン。
そんなパンを目指しています。
卵アレルギー・乳アレルギーとパンとの関係について
コラムに書いていますので、よかったら読んでみてください。