ソルビトールは体に悪いのか?
原材料のソルビトールが気になります。やはり保存料は必要不可欠なのでしょうか?アレルギーのお子さんを持つママは表示ばかり見ていますが、子供に影響がない食べ物を与えたいので無ければいいのにと思うパンがありました。
お客様よりお問い合わせをいただきました。
ソルビトール・・・あまり聞き慣れない名前なので、ちょっと危険を感じるかもしれません。
元々自然の食べ物にも含まれており、海藻類やバラ科の果物(りんご、なし、桃、プルーン)に多く含まれています。
食品添加物の「ソルビトール」とは、じゃがいもデンプンやとうもろこしデンプン由来の天然の糖アルコールです。
主に甘味料の用途で使用されています。(甘味度は砂糖の約60%)
ソルビトールはエリスリトールやキシリトールと同じく人の腸では分解や吸収されない糖アルコールなので、低カロリーの甘味料です。
水に溶解するときに吸熱反応を起こす性質があるので、口の中で溶けたときにひんやり感じます。
ガムやスナック菓子の清涼剤として使われることもあるそうです。
ソルビトールは「ソルビット」「軟化剤」と明記されている場合があります。
また、保湿作用や石鹸成分を透明化する特徴があることから、化粧品やスキンケア商品、医薬品にも使われています。
ソルビトールの危険性
ネットで検索すると、「ソルビトールは危険」という記事が目に付きます。
しかし、自然由来の糖類で40年以上の使用実績があり、食品の他に化粧品や医療品でも使われていて、発がん性や皮膚感作性(アレルギー性)も見受けられないことから、安全と考えていいと思います。
もしかすると、保存料に使われる「ソルビン酸」と勘違いされているのかもしれません。(ソルビトールとソルビン酸は全く別の物質です)
ソルビトールが原因の糖尿病の合併症
「糖尿病性神経障害」というもので、手足に痛みやしびれるような痛みを感じる神経障害で、ブドウ糖が変化してソルビトールになり、神経細胞の中に蓄積されて細胞の動きを阻害すると言われています。
また、ソルビトールが眼球の水晶体に溜まると、白内障になる可能性が高まるそうです。
糖尿病とソルビトールの関係性については、相関関係があることは間違いなさそうですが、まだわからないことも多く研究が続いています。
高血糖の状態が続くことで、体内でブドウ糖から生成されるソルビトールについては、病気になる可能性がありますが、食品から摂取されるソルビトールは肝臓で代謝されるので心配ないそうです。
食品添加物としてのソルビトール使用の目的
- 冷凍障害の防止・・・多くの水分を保持できるため、凍る時に食品の細胞膜に傷がつきにくくなります。
- 味がよく染みる・・・浸透性が良いので、味がよく染みます。煮物や漬物にも利用されています。
- 微生物の繁殖を抑える・・・水分活性を低下させるため、微生物の繁殖を抑えることができます。
トントンでは、さつまいものパンに使用するさつまいもの甘露煮にソルビトールを使用していました。
メーカーに問い合わせると、冷凍傷害を抑えるためにソルビトールを使用しているとのこと。
一般的に糖度を上げると水分と糖分が強く結びつくことで冷凍障害が緩和されます。
商品が傷みにくくなるので、納得の添加物です。
ソルビトールは簡単にいえば、砂糖の親戚です。
ネットで検索すると、「ソルビトールは保存料だから危険!」なんて情報が流れていますが、それは誤解です。
確かに保存料と同じ役割をしますが、昔から食品の保存性を良くするため、甘露煮や煮物に砂糖が使うのと同じ理屈です。
すべての原材料は、使い方によって食べ物をおいしくしたり保存性を良くしたり、そして毒にもなります。
とはいえ、使わなくてもいいのなら、使わないほうがいいですよね。
原材料メーカーに「ソルビトール抜きでさつまいもの甘露煮を作ることは出来ませんか?」と相談したところ…
「冷凍保存いただけるなら、出来なくはないです」というご連絡をいただきました。
試作を重ね、作っていただいたさつまいもの甘露煮がこちら
地元のメーカーにお願いしたので、せっかくならと地元石川県内灘産のさつまいも「五郎島金時」100%で作っていただきました。
しかも、ソルビトールだけではなく、甘露煮の色止めに使われることが多い「ミョウバン」も抜いていただきました。
なので、色がくすんでいます。
少し色が悪くても、添加物が少ないほうがいい!
何度もお願いして、完全無添加のさつまいもの甘露煮を、トントンのためだけに作っていただけるようになりました。
メーカーさん、ありがとうございます!