皮膚からアレルギー物質が入ることの危険性

2017年6月17日、日本アレルギー学会は化粧品製造販売会社「悠香(ゆうか)」(福岡県)が販売した「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧製品の利用者に重い小麦アレルギー症状が出た問題で、患者調査の最終報告を公表しました。

報告によると、今年3~5月の調査で980人の現状が報告された。その中で医師が小麦摂取の状況を把握できた474人のうち、202人(43%)が回復していた。 自己判断で通院をやめた506人の回復状況は分かっていない。

アレルギー反応の原因は、旧製品が含む小麦由来のたんぱく質が、洗顔時に皮膚や目・鼻の粘膜から体内に少しずつ侵入し、排除しようとする抗体ができたためと推測した。 製品の使用を中止すると抗体は徐々に減り、症状も緩和された。

Medical Tribune 「茶のしずく石鹸」で重い小麦アレルギー症状、患者の4割が回復 より引用

 

「茶のしずく石鹸」といえば、2011年にメーカーによる自主回収が行われた、多くの方が小麦アレルギー症状を発症する原因となった石鹸。

大きな社会問題となりました。

皮膚からアレルギー物質が入ることの危険性

ゆうかストア 旧茶のしずく石鹸(2010年12月7日まで販売していた旧製品)につきまして

※現在は小麦由来成分を除いたもので製造されていますので、安心してご利用いただけます。

 

原因は、肌から侵入してきた小麦成分

なんだか難しい言葉で書いてあるので、すっと入ってきませんが、6年経って4割の方が回復して、6割の方が未だに小麦アレルギーが解除されていないってことですね…

小麦はいろんな食べ物に使われていますし、アレルギーが発症した時点で、まさか石鹸が原因だなんて、思いもよらなかったと思います。

 

この「茶のしずく石鹸」には、保湿性やツヤ出し、感触改良といった目的で「グルパール19S」という加水分解小麦が使用されていました。

この「グルパール19S」という成分は、加水分解小麦の中でも分子量が大きく、分子量が大きいと肌から入ったときにアレルギー物質と認識されやすいそうです。

主に洗顔に使われていた石鹸のため、目や鼻などの粘膜部に触れることで体内に侵入し、アレルギー症状を発症したと考えられています。

 

イギリスでピーナッツアレルギーが多い理由

イギリスでは「ピーナッツアレルギー」が深刻な社会問題になっています。

ここ10年で2倍になり、児童の70人に1人が発症し、保育園や小学校ではピーナッツの持ち込みが禁止に。

 

原因はピーナッツオイル入りのオムツかぶれ防止クリームでした。

このピーナッツオイルを含んだオムツかぶれ防止クリームを使用していた子どもたちは、使用していない子どもたちに比べて、7倍もの高い割合でピーナッツアレルギーをもっていることが分かりました。

皮肉なことに、肌荒れを改善しようとオムツかぶれ防止クリームを使用したことによって、荒れた肌からピーナッツ成分が侵入し、体内の免疫機能が働きアレルギーが引き起こされたと考えられます。

 

石鹸や化粧品の成分を、今一度見直したほうが良さそうです

皮膚からアレルギー物質が入ることの危険性

最近の研究で、皮膚からの侵入が食物アレルギーの原因の一つとなると注目されています。

 「茶のしずく石鹸」や「おむつかぶれ防止クリーム」のような事故が再び起こらないように・・・

厚生労働省でのチェックを強化していただきたいです。

 

今まで、石鹸や保湿クリーム、化粧品の成分にアレルギー物質が使われている可能性があるだなんて、このような事故が起こるまで考えもしませんでした。

メーカーの謳い文句に躍らされることなく、どんな成分が入っているのか、消費者自身でチェックして見極める必要がありそうです。

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