アレルギー対応でもクロワッサンがサクサクのわけ
パン屋さんを月に一回以上利用するパン好き主婦を対象に、好きなパンについてのアンケートが行われました
食事パン部門で、塩パンを抑え堂々の一位だったクロワッサン。
5年前の調査でもダントツの一位でした。
みんなクロワッサン、好きなんですねぇ〜(*^^*)
クロワッサンの歴史
クロワッサンとはフランス語で「三日月」という意味ですが、生まれはウィーンで(諸説あり)フランス育ち。
「17世紀、オスマントルコ帝国はウィーン(またはブダぺスト)に侵略した際に、地下トンネルを掘っている音にパン屋が気づき、それをきっかけとしてオスマントルコ軍を撤退させた記念としてオスマントルコ帝国のシンボルであった三日月をかたどってクロワッサンは生まれた」とされていますが・・・
実はクロワッサンの原型は三日月の形のロールパンとして、はるか昔からヨーロッパ各地にあったそうです。
当時はまだバターを折り込んだサクサクのクロワッサンではなく、固いパンだったそうです。
「パンがなければお菓子を食べればいいのよ」で有名なオーストリア皇女のマリー・アントワネットがフランスにクロワッサンを持ち込んだと言われています。
1770年、フランス国王「ルイ16世」に嫁いだとき、デンマークやオーストリアから多くのパン職人を連れてきました。
そのパン職人がデニッシュペストリーで三日月の形に作ったものが、現代のクロワッサンの原型になったそうです。
正式な製法として発表されたのは20世紀に入ってからで、現在のクロワッサンのレシピはまだ100年も経っておらず、実は歴史の浅いパンなんです。
クロワッサンの形はなぜ三日月のものとまっすぐなものがある?
最近、三日月型のクロワッサンは見かけなくなりましたね。
フランスでは明確な決まりがあるそうで、まっすぐなものは「クロワッサン・オ・ブール」三日月のものを「クロワッサン・オルディネール」と言います。
ブールとはバターのことで、オルディネールとは日常という意味。
つまり、バターで作ったクロワッサンはまっすぐで、マーガリンで作った安価なクロワッサンは三日月の形をしているそうです。
日本ではコンパウンドマーガリン(バターとマーガリンを合わせた油脂)で作ることが多く、形も決まりはありません。
作り手の好みで決まることが多いと思いますが、日本人は本場のものが好きなので、高級なものとしてフランスで認知されているまっすぐなクロワッサンが定番といったところでしょうか?
アレルギー対応でもクロワッサンがサクサクのわけ
よく、「卵もバターも使わずに、どうやってクロワッサンを作っているのですか?」と質問をいただきます。
あの、普通に作っているだけなんですけど(笑)
普通と違うといえば、バターじゃなくって秘密の油脂で作っているところ?
なんでサクサクになるかというと・・・
油脂がパンをサクサクにしているわけではなくって、油脂の中の水分が焼いている時に沸騰して生地を持ち上げるので、きれいな生地の層になるっていうわけ。
ということは、サクサクに作るには、油脂を均等にまんべんなく入れることがポイントとなります。
油脂の層の数は27層が基本ですが、それよりも少ないと層が厚いことでザクザクした触感になり、層の数が多いと普通のパンのようにフワフワした触感になります。
一度64層に挑戦したことがありますが、層が潰れて油っぽい普通のパンになりました(笑)
油脂の中に水が乳化していないとパン生地が層にならないので、バターやマーガリンを使わないとクロワッサンは作れません。
ショートニング、牛脂、豚脂(ラード)、パーム油、ココナッツオイルなどの固形油には水分がないので、バターやマーガリンの代わりにはならないはずです。
試したことないけど。
お家でうまく作るには、かなりの技術が必要です。
油脂が溶けないように、室温を低くして均等に油脂が伸びるような綿棒の技術も必要です。
ちなみに店チョはうまく作れません(笑)
生地を延ばす機械がないと難しいかも。
クロワッサンとは、一体どんなパンのことを言うのか?
「バターを使わないクロワッサンは、もはやクロワッサンじゃない!」
昔、知り合いのパン職人に言われたことがあります。
確かに、クロワッサンはバターの風味を味わうパンなのかもしれません。
フランス人のように、朝食でカフェオレと一緒に食べなければいけないのかもしれません。
伝統を守るためには。
でもね、それってパン屋が決めることじゃないと思うんです。
食べる人が「これはクロワッサンだ!!」って言ってくれたら、それがクロワッサン。
そう思うんです。
こんなこと書いちゃったら、またパン業界の偉い先生に怒られちゃうな・・・(^_^;)