卵や牛乳を使わなくても、カスタードクリームは作れる!
パン屋やケーキ屋にとって、大切なフィリングがあります。
それは、「カスタードクリーム」
自家製で作っているところも多く、お店の特長が出るフィリングの一つです。
卵も乳製品も使わずに、カスタードクリームみたいなクリームを作ることはできないものか…
パン工場を作ってからの10年間。
ずっと内に秘めていたtontonの課題でした。
カスタードクリームのような口当たりのクリームを作ることはできても、味はさすがに…
何度も試作しては、納得のできないものばかり。
りんごをすりおろして入れてみたり、ココナッツミルクを煮込んで入れてみたり、アレルギー対応の粉ミルクを入れてみたり。
思いついた原材料を手当たり次第入れて試しましたが、あの優しい味になることはありませんでした。
諦めかけていたその時、ヴィーガンカフェをされている方からヒントを頂きました。
昔と違って、今はヴィーガン商品がいろいろ開発されているから、それらを組み合わせればカスタードクリームの味が出せるかもしれない。
ああでもないこうでもないと研究を重ね、ついに卵乳不使用のカスタードクリームが完成しました。
困難とは、やろうとしないこと
昔読んだ本に、こんな事が書かれていました。
「困難だからやろうとしないのではない。やろうとしないから困難なのだ。」
まさにその通りだと思います。
仮説→実行→検証→修正
この地道な作業の繰り返しが、「物作り」の基本だと信じています。
全くもって、華やかな仕事ではありません。
目指しているのは、「テレビで有名なカリスマブーランジェリー」ではなく・笑
「困っている人に喜んでいただきたい・お役に立ちたい」ですから。
これがtontonの活動の源泉です。
人の好みは千差万別
リッチな味が好きな方がいれば、さっぱりとしたパンが好きな人もいます。
ふわふわのパンが好きな人がいれば、ハード系のパンが好みの人も。
好みは人それぞれ。
昔は、「より多くのお客様に喜んでいただけるパンを作りたい」と思っていましたが…
tontonのパンの味にご満足いただけない方もいらっしゃいます。
100人いて100人が満足できるパンを作ることはできないと悟りました。
であれば、自分が美味しい!と思ったパンを作るしかない。
会社の規模が小さく、多品種のパンは作れないこともありますが、リッチな味のパンやハード系のパンがない理由はここにあります。
作り手が「美味しい!」と思ったパンを賛同いただけるお客様に、少しでも「幸せな時間」を提供できればと考えています。
カスタードクリームがあれば、菓子パンのレパートリーは大きく広がる!
卵乳不使用のカスタードクリームを使ったパン。
第一弾”カスタードクリームパン”、第二弾”tontonのアップルパイ”を作りました。
召し上がっていただきましたでしょうか?
カスタードクリームがあれば、菓子パンのアイテムがグンと広がります。
単純に、カスタードクリームだけを包んだクリームパンもいいですね。
ケーキ屋さんで作っている、卵をふんだんに使ったり濃厚な牛乳を使ったカスタードクリームと同じ味を再現することはできませんが…
アレルギーじゃない人が食べても「これってカスタードクリームだよね」って言っていただけるカスタードクリームが完成しました。
あのパンを作りたい!このパンも作れる!
と、頭の中がパンク中です・笑
卵や乳にアレルギーがあると、決して味わうことができなかった「カスタードクリーム」の味と食感。
楽しんでいただけると嬉しいです。