日本の研究グループが発見!ペットと食物アレルギーの関係性
こんばんは!
tontonの店チョです(*^^*)
2023年3月29日(記念すべき店チョの誕生日!)PLOS ONEに公開された論文で、興味深いものがありました。
Associations between fetal or infancy pet exposure and food allergies | PLOS ONE
PLOS ONEとは
アメリカの出版社PLOSが2006年に創刊したオープンアクセス(OA)の査読つきの科学雑誌で、科学と医学分野の一次研究論文を扱っています。税金を原資として得られた研究成果は、無料で一般公開されるべきであるという理念の下、複数のオープンアクセス誌を刊行しています。
Google先生に翻訳してもらって読んでみると…
犬や猫と暮らす家庭で育った子どもは、食物アレルギーになる可能性が低いという結果が出たそうです。
しかも、論文の研究を報告したのは、日本の福島県の医師グループ。
エコチル調査とは
環境省では、日本中で10万組の子どもたちとそのご両親に参加していただく大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を2011年より実施しています。「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」です。
国立環境研究所のエコチル調査を活用して、この種のものとしては最大規模、3歳までの乳幼児6万6000人以上を対象に調査。
室内飼育の犬や猫と育った子どもは、育っていない子どもと比較して食物アレルギーを起こす確率が極めて低いことが示されたそうです。
- 犬との接触は、卵、乳、ナッツのアレルギー発生リスクを低下
- 猫への接触は、卵、小麦、大豆のアレルギー発生リスクを低下
- 魚、フルーツ、甲殻類、蕎麦アレルギーについては、犬猫ともに関連が見られなかった
この研究の結果は、ペットへの接触と食物アレルギーのリスクがペットの種類や原因食物によって異なることを示していて、胎児期から幼児期にかけて犬や猫に接触することが、食物アレルギーの発生リスクを低下させることが示唆されたそうです。
他の動物も検証されています。
- ハムスターへの接触はナッツアレルギー発生リスクを増加
- 鳥、カメは研究対象の食物アレルゲンとの明確な関係は見られなかった
ハムスターはナッツを常食としているので、ハムスターの餌が子どもの皮膚と接触してアレルギー発症率を高めているのではないかと考察されています。
今後の研究に、期待大!
ペットの種類によって、相関のあるアレルギーの種類が異なるという発見は、動物の種類によって固有の腸内微生物叢が関与している可能性があると考えられるそうです。
ペットが食物アレルギーに影響を与えるメカニズムはまだ解明されていませんが、「今回の研究の発見は、食物アレルギーについての将来の研究設計に役立つはず」と論文を締められています。
日本の研究グループによる、日本人を対象とした「ペットと食物アレルギー」についての研究は、とても嬉しい発見です。
あくまで統計データを解析した結果で、実際にメカニズムが解明されたわけではありませんが、食物アレルギーの予防にペットが活躍する日が来るかもしれませんね。